WordPressを運用していると必ず何処かで課題となるのが表示速度高速化。

そんなWordPress製サイトのパフォーマンス問題を一瞬で解決してくれるのがKUSANAGIです。

今回の記事では、

  • KUSANAGIとはどういったものなのか
  • KUSANAGIを導入するメリットとは?
  • KUSANAGIを実際に導入している企業のウェブサイト

といったことを紹介・解説していきます。

KUSANAGIとは?

KUSANAGIとは、WordPressを含むCMSを超高速で実行することができる仮想マシンイメージです。何も最適化していないWordPressでもKUSANAGI上でWordPressを動かすだけであらゆるパフォーマンスが改善されます。

WordPressの高速化と言うとページキャッシュが代表的ですが、KUSANAGIはWordPressそのもののパフォーマンスを高めるため、キャッシュ機能に頼らずとも高いパフォーマンスを維持することが可能です。

KUSANAGIを導入するメリット

まずはKUSANAGIを導入するメリットや特徴について具体的にどのようなものがあるのか解説・紹介していきます。

プラグインを使わずに高速化出来る

KUSANAGIは仮想マシンイメージであり、WordPressプラグインではありません。そのためプラグインを増やさずに高速化することが可能です。

KUSANAGIは細かな設定を行うこともできますが、何もしなくても高速化出来るため、この点もWordPressプラグインとの大きな違いでしょう。

ダッシュボードまで高速化される

これまでにあったWordPressの課題として、どれだけキャッシュプラグインなどを駆使して高速化してもWordPress管理画面は高速化されないという問題がありました。

ですがKUSANAGIであれば関係ありません。KUSANAGIはWebページを高速化する環境というより、WordPressそのものを高速化できる環境であるため、WordPress管理画面も高速化することが可能です。

そのためこれまで以上にWordPress管理作業も効率化されて執筆に充てられる時間も長期的に見てかなり長くなります。

また、ページ読み込み時間や画像アップロード時間が長すぎて集中力が切れてしまうということも少なくなるでしょう。

無料で利用可能

KUSANAGIで環境を整えるだけでWordPressを高速化できるというとても魅力を感じるものですが、実は無料で利用することが可能です。

KUSANAGIは初期費用や月額料金を支払わずに利用できるためWordPressと同じく全く費用がかかりません。

法人は有償

法人利用の場合は無料では利用できません。最低3,000円/月が発生します。金額はKUSANAGIを利用するサーバーのCPUコア数に依存し、性能の高いサーバーを利用するほど料金が高くなる仕組みです。

個人事業主を含む個人の方は関係ありませんが、法人がKUSANAGIを利用する場合は注意してください。

セキュリティが高い

KUSANAGIはただただWordPressを高速化できるだけでなく、セキュリティも高めることが可能です。

  • WAF
  • IPS/IDS
  • SELinux対応
  • TLS1.3
  • TLS1.1以下の無効化
  • 脆弱性スキャンツール

WAFなど本来ならプラグインや別のソフトウェアを導入して行わなければならないセキュリティ対策ですが、KUSANAGIは初めからこれらのセキュリティ機能を内包しています。

ほかにも、

  • 自動更新の有効化、無効化
  • プラグインの自動更新機能
  • テーマの自動更新機能
  • WordPressコアの自動更新機能
  • 自動更新スケジュール機能

といったサイトを長期間放置していてもWordPress本体やテーマ・プラグインを古いままにしていたことが原因でハッキングされないための自動更新機能も揃えられています。

KUSANAGIを採用した主な有名企業

KUSANAGIを採用しているサイト数は4万件以上にのぼります。そこで実際にKUSANAGIを採用している有名企業のウェブサイトについていくつか紹介します。

KUSANAGIが実用されているサイトはどれくらいのパフォーマンスを引き出せているのか確かめるのに丁度良いので、一度サイトを覗いてみると良いでしょう。

りそな銀行

 

りそな銀行は確定拠出年金スタートクラブでKUSANAGIを採用しています。バナー画像などが大量に使われているサイトですが、どのページを見てもパフォーマンスが高い状態を維持しています。

>>確定拠出年金スタートクラブ

ファミリーマート – ファミマプリント

ファミリーマートのファミマプリントもKUSANAGIを利用しています。

>>ファミマプリント公式サイト

コンテンツの都合上画像などのリソースファイルが多く、典型的な主サイトの例にも挙げられますが、その割には高いパフォーマンスを誇っています。

こちらはKUSANAGI×WordPressの組み合わせですので、画像が多いWordPressのパフォーマンスを調べるのにちょうどいいでしょう。

マネーフォーワード – MONEY PLUS

クラウド会計で有名なマネーフォーワードは「MONEY PLUS」というメディアでKUSANAGIを採用しています。利用環境はAWS。

MONEY PLUS – 公式サイト

採用されているCMSはWordPressではありませんが、KUSANAGIはWordPress専用高速化環境ではなく、WordPressを含む超高速CMS実行環境であるため、WordPress以外でも実用可能です。

KUSANAGIを導入できるサーバー

KUSANAGIを導入できるのは国内外28のプラットフォームです。KUSANAGIを利用できる環境は以下のサービスです。

  • Microsoft Azure
  • AWS
  • Oracle Cloud
  • GCP
  • Alibaba Cloud
  • IBM Cloud
  • EVA
  • S-Port
  • CLARA ONLINE
  • NIFCLOUD
  • IDCF クラウド
  • さくらのVPS
  • ASPIRE
  • Cloudn
  • ConoHa
  • さくらのクラウド
  • GMOクラウド ALTUS
  • CPI
  • Z.com
  • HyperCloud
  • TENTEN
  • リンク ベアメタルクラウド
  • Fujitsu Cloud Service
  • Docker
  • VMware
  • Vagrant
  • KAGOYA JAPAN WordPress専用サーバー
  • WordPress最適化サーバー HAYABUSA

基本的に通常のレンタルサーバーでは提供されていません。KUSANAGIを利用者が管理できるVPSやAWSなどのクラウドコンピューティングサービスがほとんどです。

例外として「KAGOYA JAPAN WordPress専用サーバー」「WordPress最適化サーバー HAYABUSA」はKUSANAGIが導入された共用サーバー(マネージドサーバー)であるため、この2サービスに限りKUSANAGIを自ら管理せずWordPressをKUSANAGIで動かすことが可能です。

KUSANAGIを導入する注意点

KUSANAGIはWordPressを高速からでも非常に有効な手段ですがいくつか注意しなければならないポイントもあります。最後にKUSANAGI導入において何に注意しなければならないのか解説していきます。

性能が低すぎるサーバーでは逆効果

KUSANAGIはある程度のサーバスペックが必要です。そのためKUSANAGIを試すために一番安いサーバーを利用してしまった場合、KUSANAGIが本来の性能を引き出せず、頻繁にサーバーエラーが起こったりページ表示速度が全然上がらないという問題に遭遇します。

KUSANAGIはメモリ4GB以上が推奨されている仮想マシンイメージなので、KUSANAGIの性能をフルに発揮したい場合はメモリが4GB以上のプランのサーバーを契約するようにしてください。

  • メモリ1GBだと少し高速化・たまに503エラーが発生する
  • メモリ2GBだとそれなりに高速化・何も対策していない重いWebページが多くアクセスも多い場合は稀に503エラーが発生する
  • メモリ4GBでかなり安定して最適化できる

と見ておくといいでしょう。

WEXALでは絶対にメモリ2GB以上必要

先述したWordPressをさらに高速化できるWEXALを導入する場合は、どれだけ予算がない場合でもメモリ2GB以上利用できるプランを選択するようにてください。

WEXALはKUSANAGI以上にマシンパワーを必要とするため、メモリ1GBだと逆にパフォーマンスが大幅に低下する可能性が高いです。また、WEXAL導入直後はWordPress関連で高速化出来るものを一斉に高速化するため、数時間~数日ほど最適化にリソースを割く関係でかなり重たくなります。

本来はメモリ4GB以上が望ましいですが、どうしても厳しい場合はメモリ2GBを最低ラインとしておきましょう。

.htaccessを使いたいときは設定の変更が必要

KUSANAGIを導入した直後はほとんどの場合は使っているWebサーバーnginxになっています。nginxは.htaccessを使えないため、.htaccessを編集してリダイレクトを行ったりということができません。

KUSANAGIにはいつでも使用するWebサーバーをApache(.htaccessを利用できるWebサーバー)に変更するコマンドが用意されていますが、サーバーにコンソールで接続してコマンドを実行しないといけないというハードルがあるため注意しましょう。

また、KUSANAGIを利用者が管理できない「KAGOYA JAPAN WordPress専用サーバー」「WordPress最適化サーバー HAYABUSA」では使用するWebサーバーを変更できない点も注意してください。

KUSANAGIの導入でお困りならWordPressのお医者さんへ

WordPressを利用するだけであれば、多くのレンタルサーバーが用意しているWordPressかんたんインストール機能を使えば初心者でもすぐにWordPressを立ち上げられますが、KUSANAGIは簡単インストール機能が提供されているサーバーがほとんどないため、導入したいけどできないという方も多いでしょう。

そういう方はぜひWordPressのお医者さんへご相談ください。KUSANAGIの導入からWordPressのセットアップ・SSLの導入まで全てサポートさせて頂きます。