KUSANAGIを使わずにWordPressを最適化する

WordPressを簡単に高速化できるということで導入するサイトが増加しているKUSANAGI。KUSANAGIを使えばWordPressプラグインやサーバー設定のカスタマイズをしなくても一瞬で高速化できます。

ですが、高速化手段はKUSANAGIだけではなく、様々な方法があります。そこで今回はKUSANAGIを使わずにWordPress製サイトを最適化・高速化する方法を紹介します。

KUSANAGIとは？

KUSANAGIとはプライムストラテジーが開発提供している、仮想マシンイメージです。WordPressを含むCMSを超高速で稼働させられる実行環境で、標準搭載しているサーバーも増えてきています。

KUSANAGIはWordPress管理画面までもキャッシュすることができ、1秒あたり6万件以上ものリクエストを同時に処理することができます。

キャッシュを使わない設定で運用した場合でも毎秒1000以上ものリクエストをさばけるため、とても優秀な高速化環境と言えるでしょう。

KUSANAGIは初心者には難しい

KUSANAGIはWordPress を高速化する上で非常に有効な手段ですが、如何せん導入が複雑です。今は多少導入しやすくなりましたが、通常のレンタルサーバーでは利用できずVPSなどサーバー利用者がサーバーシステムを管理しなければならないレンタルサーバーを利用する必要があります。

そのためサーバー初心者には非常に難しく、ただただWordPressを使ってブログを始めた人はもちろんのこと、サーバー知識があまりないサイト運営者にも難しいでしょう。

公式のチュートリアルなどを参考にして導入したとしても、設定ミスに気づかず不具合が発生したり、キャッシュが思うように動作しないということもよくあります。

そのため初心者の場合はKUSANAGIを使わずにWordPressを高速化する方法のほうが安全かつ確実です。

WordPressを最適化して高速化するメリット

WordPressを最適化して高速化するメリットは、「ページの読み込み速度・表示速度が早くなる」だけではありません。

ページの表示速度が速くなるからこそ得られるメリットがありますので、そちらについて見ていきましょう。

直帰率の減少

ページの表示速度が上がることで直帰率が減少します。ページの表示速度は直帰率に大きく関係しており、ページ表示速度が遅いだけですぐに離脱されてしまいます。

Googleがページ表示速度に対する直帰率の調査結果を公開しており、以下のようなデータが出ています。

ページ表示速度が1秒から3秒になると直帰率が32%増加
ページ表示速度が1秒から5秒になると直帰率が90%増加
ページ表示速度が1秒から6秒になると直帰率が106%増加
ページ表示速度が1秒から10秒になると直帰率が123%増加

このように、たった1秒・2秒の差で直帰率が増加してしまうため、一見するとPV数が多くても実際に記事を読んでいる人は飜数以下ということがあります。

そのためページ表示速度の最適化は必要符書けるなのです。

SEO効果・検索順位上昇

ページ表示速度を速くすることはSEO対策にもなります。

数年前にスピードアップデートというページ表示速度が遅いサイトの検索順位を下げるアップデートがありましたが、これは極端に表示速度が遅いサイドが対象なのでほとんどのサイトは無関係です。

スピードアップデート無関係なのにSEOと何が関係あるのかという問題ですが、ページ表示速度が遅くなると直帰率が増加する関係でページの評価が落ちてしまいます。逆にページ表示速度が上がると直帰率が下がって読了率が高まるため、ページ表示速度改善することが結果的に検索順位上昇に一役買うのです。

そのためSEO対策の一環としてページ表示速度改善することはとても意味のある行為といえるでしょう。

執筆・作業効率向上

WordPressで作ったサイトを閲覧するのは検索結果などから訪れてきた読者だけではありません。最も閲覧するのはサイトの管理人でしょう。

WordPressのページ表示速度を最適化することで記事のプレビューやサイトの確認速度を上げることができるため、作業効率が向上します。

作業効率が上がればより多くの記事を執筆・公開することができるため、サイト運営者にとってもメリットがある行為です。

KUSANAGIを使わずにWordPressを最適化する

WordPressを高速化する手段はKUSANAGIだけではありません。ほかにもWordPressを最適化する方法が用意されています。

プラグイン数を減らす
画像をwebp形式に対応する
HTML/CSS/JavaScriptを圧縮する
ブラウザキャッシュを有効化する
サーバーキャッシュを有効化する

それぞれ利点等が異なりますので順番に見ていきましょう。

プラグイン数を減らす

有効化しているプラグイン数を減らすことはとても有効です。有効化しているプラグインが多いとデータベースに負荷がかかりやすく、何も対策していない状態だとサイト全体が重くなってしまうことがあります。

ですので使っていないプラグインは無効化しておきましょう。使っているから無効化できないという場合はそのままで大丈夫ですが、使ってもいないのに意味もなく有効化したままでいるのはパフォーマンス上の無駄でしかないので無効化し、今後使うことがないプラグインは完全に削除してしまいましょう。

画像をWebP形式に対応する

WebP形式とは非常に高い圧縮率を持った画像形式で、圧縮率が高いJPEG・PNGと比較しても高い圧縮率を誇ります。

ページで表示する画像形式をWebP形式にすることで、サイトパフォーマンスを高めることができます。Webページで読み込まれる容量のほとんどが画像であるため、画像のファイルサイズをいかに削減できるかが高速化の肝でもあるのです。

これまでずっとWebP形式をサポートしてこなかったiOS標準ブラウザSafariもWebP形式に正式に対応したため、コレを機会に対応してみるのもいいでしょう。

HTML/CSS/JavaScriptを圧縮する

HTML/CSS/JavaScriptを圧縮するとは、各ファイルのソースコードにあるコメントや無駄な空行を削除して少しでもファイルサイズを削減する方法です。

手動で行うことはとても大変ですが、これらファイルを自動的に圧縮できるWordPressプラグインがありますので、そういったプラグインを活用するといいでしょう。

ブラウザキャッシュを有効化する

ここで言うブラウザキャッシュとは、Webページのデータを丸ごとパソコンやスマホにキャッシュしておき、2回目以降訪れた際にサーバーと接続せずキャッシュにあるWebページデータを閲覧する機能です。

この機能を使うとキャッシュの有効期限が切れるか明示的にキャッシュをクリアしないと更新されたページが表示されませんが、同じページを短期間で何度も更新することは稀であるため、ブラウザキャッシュは高速化にとても有効です。

WordPressだとプラグインかレンタルサーバーの機能で実装することが一般的ですが、WordPressテーマにブラウザキャッシュ機能が搭載されていることもあるので、テーマ機能に搭載されていたら有効化しておきましょう。

サーバーキャッシュを有効化する

使用しているレンタルサーバーがサーバーキャッシュに対応している場合、プラグインを使わずに生成されたWebページをキャッシュしておくことができます。

一度キャッシュされたページにユーザーがアクセスした場合、優先的にキャッシュされた生成済みページを表示するためページ表示速度が格段に向上します。

ただし、記事の編集・更新・公開などのトリガーがないとキャッシュがクリアされず、テーマの設定を変更したのに反映されていないといった症状が発生することがあるため、テーマカスタマイズや導入プラグインの設定変更が即時反映されないことがあります。このときはサーバーキャッシュ機能を一時的に無効化してから設定変更を行いましょう。

また、WordPressプラグインでは実装できず利用するレンタルサーバーにサーバーキャッシュ機能がないと使えないので注意してください。

有名なレンタルサーバーサービス「エックスサーバー・ConoHa WING・ロリポップ」などはサーバーキャッシュに対応しています。